インターネットの異変＠2006

この文章は、2006年5月8日に書かれたものを少し修正したものです。

最近、インターネットで異変が起こっている。まず昨年は電車男が流行り、ネットが非常にクローズアップされた年であった。そして、最近流行っているのが ブログやSNSである。ブログとは、一般には日記形式のホームページのことで、HP作成の知識がなくても、気軽にブログを開設し、公開できることからブログ開設者が増えているのだと考えられる。SNSとは、ソーシャルネットワーキングサイトの略語で、参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広 げることを目的に開設されたコミュニティ型のWebサイトである。

このブログやソーシャルネットワーキングサイトが流行っ ていることについて、考察をしてみたい。僕は、かれこれネット歴が7年ほど。まだ電話回線のダイヤルアップで、ピーピーガーガーという音をさせてからネットに繋いでいた。その頃は、今のような定額料金ではなく、接続時間に応じた従量料金制であった。近年、ネット人口が増えたのは、俗にブロードバンドと言われる、定額料金かつ低額で提供されているADSLやFTTHの普及であった。

さて、自分にとってインターネットが何なのか？　と言えば、現実の世界と違った一面を見つけることができる可能性を秘めた世界である。というと、少し大げさになってしまうが、現実の世界の人の繋がりを全く持ち込まずに、新しい繋がりを探す場であると思っている。そして、年齢の垣根を跳び越え、楽しく過ごすことができると思っている。

それでは、ネットの異変とは何なのか？ 　それが、ブログやSNSの広まりである。
ブログは、大抵の人が日記を載せている。元々はアメリカで発祥したもので、議論や意見交換をし易くしたWEBツールである。さて、日記を置いているホームページ（以下HP）は前からあったわけだが、ブログは日記を主体としたHPということになる。さて、ここで考えてみたい。日記とは通常どういうものを指すのか？　日記とは本来、日々の出来事や考えなどがせきららに書いてあるもので、通常人には見られたくないものであるはずではないのか？　と、矛盾を感じる部分もある。ブログを公開するということは見てもらいたいのである。もちろんブログ内容も様々で、内容にある程度の制約を設けている人もいるが、かなりリアルな日記を書いている人もいる。他人の日記を 覗くなんて、なんだかストーカー的な感覚を覚えてしまうのだが、書き手はそれだけ寂しいのかな、とも感じる。自分の書いた日記に対し、何か言葉をかけてもらいたい、同じことを考える人がいないかな、などと考えながら書いているのだと思う。ブログの日記の場合、書き手は無意識 （もしくは意識的）に、読み手を絞りながら書いていると思う。会社の愚痴を書くならば、上司に見てはもらいたくないが、同僚には見てもらいたい、また、同 じような思いをしながら仕事をしている人に見てもらいたいと思いながら書いているのではと。

次に、SNSでついて。SNSは、グループと グループが繋がる場であると考える。つまり、AさんとBさんが友達で、BさんとCさんが友達の場合、AさんとCさんが知り合えるといった具合だ。登録する にも、既登録者からの招待が必要であるので、大ざっぱかつネガティブに言うと、巨大な内輪サイトである。有名なSNSとしては、mixiが上げられる。もちろん mixiにも日記が書ける機能がある。また「足あと」という機能では、誰が何時にアクセスしたか分かるようになっていて、またそこからその誰かのページを 訪れることもできるのだ。mixiは色んな機能によって、人との繋がりを結びやすくしている。mixi利用者は現実の人間関係の繋がりで始める人が多い。つまり、 mixiを始めること自体が現実の延長線上にあるのだ。

さて、最初に僕は、僕にとってネットとは現実と違うものを見つけられる、と 述べたが、これらのブログやSNSはどうだろうか？　現実の生活や人間関係と深く関わったものではないだろうか？　このことは、インターネットというメディアが、 ただの流行りモノではなく、一般的なツールとしてかなり普及し、現実世界の延長線上のコミュニケーションツールとして、インターネットを使い始めていると いう証ではないかと思う。しかし僕は、遠くの小学校に転校してしまった小学生のように、今までの人間関係がない、新しい出会いをネット上で楽し んでもらいたいと思う。そういうのもインターネットの楽しさのひとつであると感じて欲しい。